成膜加工で熱を調整する

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通電することで発熱し、透明性が求められる場所の視界を確保しながら曇りや着雪を防ぐ透明ヒーター。成膜加工をすることで様々な熱を調整できるというメリットがあります。

ガラスなどの基板材料に、透明導電膜を形成し金属電極を取り付けることで、透明でありながら電気が通って発熱する特別な材料に変えることができます。さらに、面全体をムラなく温められるので視界不良の解消に役立ちます。

熱の成膜加工が活用されている製品

視界を確保しながら曇りや着雪を防ぐ透明ヒーターは、映像を映し出すカメラや窓ガラスなど、透明性が求められる場所の製品に活用されています。

身近なところでは、車のフロントカメラやサイドガラス、テールランプなど。ほかにも車載LiDARのカバーガラスのように赤外線の高い透過率を要求される場所や、霜取りや融雪機能を持たせるために成膜加工を施すなど、高度な信頼性が求められる場所でも利用価値の高いものとなっています。

例えば、ジオマテック製の透明ヒーターによるソリューション事例には、ネクスコ・エンジニアリングの視線誘導灯、WEBカメラなどがあります。

高速道路には、交通状況だけでなく、刻一刻と変化する気象状況を確認するためのWEBカメラが設置され、積雪、道路状況、立ち往生車両などのデータを収集しています。さらに、北海道のような降雪の多い地域では、50m間隔で視線誘導灯(雪で視界が遮られた時に光で視線を誘導するポール)が設置されており、その総数は3万本以上にものぼります。収集された情報は雪氷対策本部に集約され、除雪や凍結防止剤散布などの作業計画が立てられます。

しかし、雪が降る冬季は吹雪などによる着雪の影響でWEBカメラの視界が遮られ、ネクスコ・エンジニアリングの運用や監視に支障が出ます。そこで採用されたのが透明ヒーターです。どんな形状にも対応できるだけでなく、透明度も高いため道路状況の確認業務も確実におこなえるようになりました。

熱の成膜加工の事例

寒冷地で使用される監視カメラの着雪や霜、結露や曇りを防ぎ、クリアな視界を保つほか、信号機や電子看板の融雪、自動車のヘッドランプの着雪や霜付き防止などにも利用されています。また、医療やヘルスケア業界でのソリューション事例では、医薬品の安定品質での保管、実験用のスライドガラスやシャーレの保温による検体の細胞培養実験などがあり、さまざまな分野での問題解決に貢献しています。

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