CrNの成膜加工方法とは

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CrN(窒化クロム)は、クロミウムナイトライドの略称で、クロム系のスタンダード膜です。クロム系の基本的なコーティング薄膜で、固体材料にプラズマなどのエネルギーをぶつけ、物理的に基盤に薄膜を形成するPVDコーティングの分野では、以前より市場に提供されている被膜となっています。成膜加工会社を選ぶときの基礎知識として知っておきたいことであるため、ここではCrNの成膜加工方法について解説していきます。

CrN膜の特徴

CrN膜はクロム系のスタンダード膜で、硬さはHV2000程度と高硬度です。CrN膜の特徴は主に3つあります。

1つ目が、密着性です。母材との密着強度が高い被膜となっています。

2つ目が耐食性があること。ゴム製品成形時に発生するハロゲン系ガスに対して、優れた耐食性を示す膜です。

3つ目が金型やネジなどが摩擦熱で過熱されることで、表材表面の変質や摩耗などを防げる耐凝着性にも優れていることです。そのため、一般的には部品同士の接触部分である摺動部品に採用されることが多いです。

特に、油中環境での摩擦係数が低いことが特徴。一定の環境下では、DLC膜(ダイヤモンドと黒鉛の両方の炭素・炭素結合を併せ持つ炭素を主成分とした物質で作られた薄膜)やチタン系硬質膜よりも優れた性能を発揮することから、自動車の摺動部品、ピストンリングなどのエンジン部品にも用いられます。ただ、摺動部品に適用されるためには、摩擦係数が低いことや摩擦相手への攻撃性が小さいことなどがの条件が必要になります。

そのほか、クロム系のスタンダード膜として、添加元素による複合膜への応用、またはその下地としても活用されています。

CrNの成膜加工に用いられる方法

HCD法

中空陰極放電法と呼ばれ、蒸発とイオン化を電子ビームガンで行う方法です。緻密な被膜の形成が可能なため、プラスチックなどと密着面が離れやすい、表面へ付着しにくいという特徴があります。低温処理のため基材の寸法変化がなく、表面粗度もそのまま得られる被膜方法でもあります。

AIP法

AIP法はアーク放電法と呼ばれ、コーティング材の表面でアーク放電を発生させ、蒸発・イオン化を促して成膜をする方法です。さまざまな位置にターゲットが設置できるのが特徴で、被処理物の制限が緩和されるというメリットがあります。また、合金での金属間化合物が容易に得られるほか、比較的に厚い被膜の形成が可能です。

CrNの成膜加工に対応している成膜加工会社を選ぼう

CrNの成膜加工方法について解説してきました。CrN(窒化クロム)はクロム系のスタンダード膜です。密着性と耐食性、耐凝着性に優れているのが特徴で、自動車の摺動部品にも採用されています。成膜加工方法は成膜加工会社によって異なるので、理想の製品に成膜してくれる会社を選びましょう。

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