成膜の方法にはいくつか種類があり、その中の一つが「ALD」です。ここでは、ALDの特徴や成膜過程を紹介します。
ALDとは、原子層堆積法のことであり「Atomic Layer Deposition」の頭文字を取ったものです。真空を利用した成膜技術で、2種類以上の原料気体を交互に導入・排気させて成膜の表面に吸着した原料分子を反応させます。これにより、膜化する方法です。
1層ずつ原子層を重ねていく形です。ALDの大きな特徴として、CVDよりも膜圧の均一性が高いことや、薄い成膜が可能であること、ステップカバレッジの良い膜が作れるなどの特徴があります。
原子層レベルでコントロールが可能であることから、膜厚制御に優れているのも特徴です。膜厚を細かく調整したい場合などにも適しています。
ALDもCVDと同様にガスを利用して成膜することから、CVDの一種と言われることがあります。ですが、CVDの場合はガスが分解されてできた化合物は雪が降り積もるように蓄積していくのに対し、ALDは1層ずつ成膜できるのが特徴です。
また、CVDと比較すると成膜時の温度帯を大幅に低くできるのも特徴といえます。
ALDを用いた方法では、どのようにして成膜していくのでしょうか。ここでは、トリメチルアルミニウム(TMA)と水を用いて行うALDによる成膜の過程を紹介します。
紹介したように、ALDは薄い原子層を1層ずつ積み重ねていく方法です。まず、ウエハーを前駆体で覆います。
基板をTMAにさらすとウエハー表面部分のOH基と反応し、化学吸着によって単分子膜が形成されます。化学吸着が終わった後に行うのが、気相中にある余剰なTMAを排除するためのパージです。この時、副生成物であるCH4とともに排除することになります。
次に、基板をH2Oにさらすのですが、H2Oはウエハー表面部分のCH3基にのみ反応する形となります。化学吸着が完了したら反応生成物であるCH4と余剰なH2Oをパージすることで、ウエハー表面が膜によって覆われる形です。
これらのステップを繰り返し行うことにより、原子層を蓄積できます。
成膜加工のALDについて紹介しました。一つずつ層を積み重ねる形で成膜加工する形となり、原子層レベルの精密な薄膜操作が可能です。これにより、ナノメートルレベルで膜厚制御ができます。
半導体や燃料電池、リチウム電池、有機EL、太陽電池、ディスプレイなど、様々な用途が期待されている技術です。
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