成膜加工会社では「イオンプレーティング法」が用いられることがあります。イオンプレーティング法とは、蒸着により皮膜を作り出すタイプの成膜加工で、皮膜を作り出すプロセスによってさらに4種類にわけられます。成膜加工会社を選ぶときの基礎知識として知っておきたいことであるため、ここでは成膜加工におけるイオンプレーティング法について解説します。
成膜加工におけるイオンプレーティング法とは、蒸着で皮膜を作り出す技術のことです。真空空間の中にて電子ビームなどを用いてコーティングに使う材料を気化させて、対象物の表面に堆積させてコーティングさせます。
コーティング材料に電圧をかけて対象物に堆積させるため密着力が高く、コーティング材を選ぶことにより高硬度を得ることもできるため、工具や金型のコーティングとして広く用いられています。
1960年代に登場したイオンプレーティング法で、アルゴンガスの中で「グロー放電」を起こす電圧をかけて蒸着を行います。グロー放電によってイオン化された蒸発電子がコーティングを作り出すため、密着度が高いことが特徴です。ただし表面の粒度は少々粗めとなります。
活性化反応蒸着法(ARE法)は、コーティングする対象物の近くでプローブ電極に対して電圧をかけるタイプのイオンプレーティング法です。Mattox法よりもイオン化率が高く、コーティングをした表面がなめらかになります。またコーティングの種類も豊富です。
蒸発とイオン化を電子ビームガンで行うのが中空陰極放電法(HCD法)です。蒸発させる物質は1種類のみとなり、表面の粒度やコーティングの速度、イオン化率は活性化反応蒸着法と同等となります。ただしコーティングの種類は多くありません。
アーク放電法(AIP法)では、コーティング材の表面でアーク放電を発生させます。そして蒸発・イオン化を促して成膜をすることが特徴です。イオン化率が高く、コーティングの種類が多いため生産性を向上させることに役立ちます。また4種類の方法の中で、唯一、蒸発源の方向に制限がないため自由度の高い方法です。ただし表面は粗めの仕上がりとなります。
成膜加工会社で採用されることの多いイオンプレーティング法には、さらに4つの種類があります。それぞれ成膜のプロセスが異なりますが、仕上がりの状態など特徴も変わるため、自社にとって適したイオンプレーティング法を用いている成膜加工会社を選ぶことが大切です。
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