薄膜形成(成膜)加工は、どのような材料に対して行われるのでしょうか?ここでは成膜加工を施す材料の特性・用途について紹介します。
汎用性の高い薄膜材料Al(アルミニウム)や電気伝導率の高さに定評のあるAg(銀)などの金属を使った薄膜です。金属の表面に成膜処理を行うことで、色の表現や配線の形成、加工品への処理などが可能になります。単金属のほかに合金や複合酸化物、炭化物なども加工に使用されます。
ケイ素を主成分とするガラスへの成膜コーティングは、意匠性や導電性を獲得させられるほか、反射機能を調整することも可能です。微細加工を施したものはモバイル機器や半導体チップの部品として使用されています。
成膜材料となる樹脂には、ポリエチレンテレフタレート(PET)・アクリル樹脂・ポリカーボネート樹脂・ポリイミド樹脂・フッ素樹脂・PEEK樹脂などが挙げられます。樹脂は薄膜を形成する基板の材料としても使われていますが、非粘着性や耐摩耗性を獲得するために成膜材料としても扱われています。
シリコン膜として、アモルファスシリコンやポリシリコンの成膜も行われています。シリコンを基板の上に堆積させることで、シリコンコーティングとして樹脂コーティングではカバーできない耐熱絶縁耐圧特性を獲得することができます。また、シリコンコーティングによって防汚性や非粘着性も付与されます。
セラミックは陶材のことであり、高い耐熱性や絶縁性に加えて耐薬品性、耐電圧性を兼ね備えているため、成膜によって幅広い特性が付与されます。セラミックコーティングとして成膜を行う製品には、医療機器や電子機器が挙げられます。
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)は、炭化水素または炭素の同素体から構成される非晶質の硬質膜です。ダイヤモンドと黒鉛の中間的な位置づけであり、ダイヤモンドに近い硬材としての特性をもちながらも非結晶の材料として、耐摩耗性と潤滑性にすぐれています。自動車部品や医療器具、切削工具などに用いられ、非常に硬質な膜を形成することができます。
成膜加工にはさまざまな材料が使われており、基板・成膜材料の組み合わせを替えることで、膜のもつ特性を付与することができます。
当サイトでは、希望する材料の成膜に対応できる加工会社を紹介しています。薄膜加工・成膜加工会社を探す際の参考にしてください。
成膜加工を依頼する際には、自社に合った成膜加工会社選びが重要になります。
このサイトでは自社に合った成膜加工会社を探すことができます。ぜひ理想の製品に成膜してくれる会社を見つけてください。