コーティングの方法を大きく分けると、乾式法とも呼ばれるドライコーティングと、湿式法とも呼ばれるウェットコーティングの2種類です。ここでは、それぞれの特徴や仕組みを紹介します。
ドライコーティングとは、材料表面を気相・溶融状態を用いて処理する方法のことです。材料に対し、別の特性・機能を有する材料をコーティングします。
機能付与するための物質は、個体のままでコーティングされる形です。大きく分けると、ドライコーティングには2種類あります。
まず、コーティングしたい金属を真空中で加熱して蒸発させ、機材の表面につける「蒸着」です。
もう一つが、Arイオンの衝突で皮膜材料の原子を弾き飛ばし、コーティング対象の物質に付着しながら堆積させて皮膜を形成するスパッタリングです。
ウェットコーティングとは異なり、乾燥工程は必要ありません。ただし、装置の大型化や連続生産数の制限のほか、コストがかかってしまう特徴を持ちます。
ウェットコーティングは、日本語だと、塗布や塗工とも呼ばれます。機能付与するための物質を個体のままではなく、液体化したうえで塗布し、それを乾燥・硬化することによって固体薄膜化させる方法です。
乾燥や硬化するまでにほこりや異物が付着してしまう可能性があることから、これらを避ける場合はクリーンルームで作業を行わなければなりません。
ただ、ドライコーティングで必要となる真空環境は不要です。
いくつか種類がありますが、例えば「Roll to roll 方式」と呼ばれるものだと、機能塗料の連続塗工が可能であることから、量産しやすいのが特徴です。
薄膜から厚膜塗工まで対応しやすく、広い工業分野で活用されています。
代表的な製品例だと、自動車のリチウムイオン電池や燃料電池、紫外線カットフィルムなどにウェットコーティング技術が使われています。他にも、住宅屋根用カラー鋼板、防カビ特集壁紙、防火シート、ガラス飛散防止フィルムなどの建材で使われることも多いです。
ドライコーティングとウェットコーティングについて紹介しました。それぞれ特徴や仕組みが異なり、向いている対象物も変わります。
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