成膜加工装置の種類

目次

薄膜の形成に欠かせない成膜加工装置。仕組みや大きさもさまざまで、基板材料の形や大きさ、生産量に合わせて使い分けられています。ここでは、代表的な成膜加工装置の種類と特徴について紹介します。

おもな成膜装置の種類と特徴

バッチ式(カルーセル型)

タンク状の装置内でドラムやドームを回転させて成膜をする方法。さまざまな基板形状に対応し、成膜条件や基板材料の固定枠の形などを調整しやすいので、試作品の加工にもぴったりです。小型タイプから大型タイプまであるので、生産量に合わせて選ぶことができます。スパッタリングや真空蒸着での成膜が可能です。

インライン式

基板材料を搬送装置に載せて、流れるように成膜をする方法。生産性に優れているので、大量の基板材料に対し、精度の高い成膜が可能です。板状・シート状の基板材料で、単層や数層のシンプルな膜構成に向いています。スパッタリングでの成膜に対応しています。

インライン式では、基板のセットからチャンバー内の真空化、成膜、基板の取り外しまで、自動化でできるプロセスが多数ありますが、生産性を重視したラインにおいては、基板材料の固定枠への取り付けや取り外しも、ロボットアームによって自動で行うことができます。

ロールtoロール式

ロール状に巻いた材料に対して成膜でき、樹脂フィルムや金属箔などの大量生産に向いた装置です。ロール状のフィルム基板を真空中で巻き出して連続的に成膜をし、再びロール状に巻き取っていきます。

大型の装置では、1,000mmを超える幅広のフィルムロールにも対応しており、スパッタリング、蒸着、CVDでの成膜が可能です。

企業によっては、成膜後にスリット加工、ラミネート加工やアニール処理(加熱して樹脂製品の残留応力を除去し、寸法や形状を安定させる)などの加工処理に対応しているところもあります。

円筒内面式

円筒状(パイプ)の基板材料の内面への成膜が可能です。樹脂やガラス、セラミックス、金属などの円筒内に、反射、加熱、ろ過フィルターなどの機能を持った薄膜を形成することができます。スパッタリングでの成膜が可能です。

大型、中型、小型とサイズもさまざまあり、少量から多量にも対応していますが、円筒内面成膜装置は希少で、対応できる企業は限られています。

保有している装置の種類が多いほど対応力が高くなる

成膜を行う基板材料の素材、大きさ、形状によって対応できる装置は変わります。試作のため少量生産でいい場合と、大量生産をする場合では、使用する機械は異なります。

保有する成膜加工装置の種類が多い企業であれば、それだけ対応力も高くなるので、特殊な基板材料でも受け入れてもらいやすくなります。特殊な基板材料への成膜を依頼する場合には、こうした点も踏まえて検討しましょう。

成膜加工を依頼する際には、自社に合った成膜加工会社選びが重要になります。
このサイトでは自社に合った成膜加工会社を探すことができます。ぜひ理想の製品に成膜してくれる会社を見つけてください。

課題別or仕様検索で探す
自社に合った
成膜加工会社選び

一緒に読まれている記事