成膜加工をすることによって得られるメリットは、様々な電気を調整できるようになること。光の反射だけでなく、電気の流れをコントロールできるのも光学薄膜の特徴です。
可視光を通過するため人間の目には透明に見えますが、紫外線を遮る性質があるため、すべての波長に対して透明なわけではありません。
こうした成膜加工で電子回路を作るためには、スパッタリングという技術が使われ、液晶ディスプレイやLEDで使われる透明導電膜、半導体のウェハで使われる膜のほとんどがスパッタリングでつくられています。そのほかには、紙とインクの印刷のようにプリントできる透明導電性材料もあり、柔らかく曲げられるフィルム上に透明な配線を描くことができます。
こうして作られる透明導電膜は、既にスマートフォンのディスプレイやタッチパネルなどに使われていますが、透明導電膜を作るために必要なインジウムのようなレアメタルは高価で、安定供給の面で懸念があります。また、形成した膜が硬いため、折り曲げを伴うデバイスへの利用が難しいという問題も。さらに、2001年にインジウムが原因で死亡事例が発生したことをきっかけに、インジウムの毒性が認識され始めました。
しかし、今後はさらに用途の拡大が予想されることから、ITOに代わる透明導電性材料として、CNT(カーボンナノチューブ)などの開発も進んでいます。
世界中の人が手にするスマートフォンは、電気の成膜加工が活用されている製品です。
ガラスのように透明なのに電気を通す透明導電膜の始まりは1970年代。横浜に本拠地を構える薄膜技術専門メーカージオマテックが、ITO膜の技術開発に踏み出して以来、ディスプレイとタッチパネル機器の進化とともに成膜技術の研鑽を重ね、現在でもITO膜の先進企業として、品質の良い薄膜を開発し続けています。
こうした、電気の成膜加工が活用されている製品は、スマートフォンのほかにも銀行のATM、ゲーム機、カーナビゲーションなど、身近なところでさまざまな用途に利用されています。
さらに、スマートフォンで美しい写真や映像が、誰でも手軽に撮れるのも、カメラレンズへの光の散乱を防ぐ遮光膜や反射防止膜などの効果。高機能な成膜加工は、美しい写真や動画の撮影も支えているのです。
透明なのに電気を通す透明導電膜は、液晶画面にタッチパネルを採用したノートパソコン、カーナビゲーション、デジタルカメラ、次世代太陽電池向けの透明電極や、スマートフォンや車のアンテナなどに使われています。
成膜加工を依頼する際には、自社に合った成膜加工会社選びが重要になります。
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