成膜加工におけるアニール処理

目次

成膜加工では、さまざまな薄膜加工に加えて変形を防ぐための処理も施されます。「アニール処理」と呼ばれる処理方法は、どのような目的で行われるのでしょうか。ここでは、成膜加工におけるアニール処理について解説します。

成膜加工におけるアニール処理の目的とは

アニール処理(焼成加工)とは、材料や製品にはたらく力を除去し、加工品が変形しないようにする処理のことです。

アニール処理にはバッチ式と枚葉式の2種類が挙げられ、バッチ式は対象物をロールの上に置いて加熱し、保持した後にロールごと取り出して冷却する方法です。枚葉式は、加工済みのウェハを1枚ずつ処理する方式を指します。

熱処理を加えると、成膜後のコーティングの密着性をさらに高めて焼き付けることができます。乾燥炉だけでは十分な仕上がりが期待できない場合、高温のアニール処理によって強固に密着します。

また、金属などを使った製品には、切削・研削・熱処理・窒化処理といった加工によって「残留応力(ざんりゅうおうりょく)」と呼ばれる内向き・外向きの力が加わります。この力が除去されなければ、加工品に歪みや割れが生じることがあるため、形状を安定させる際にもアニール処理が役立てられています。

多層絶縁フィルムなどは製造の過程で有機溶剤が使用されるため、乾燥時の揮発・除去が行われますが、わずかに製品内部に残る場合があります。そうした残留溶剤を揮発させるためにも、アニール処理が施されます。

成膜加工におけるアニール処理の仕組み

成膜加工におけるアニール処理の流れは、成膜加工を行ったものに熱を加えて、形状を安定させます。加熱温度や処理時間をコントロールすることで、希望条件に沿った仕上がりが期待できます。

一例として、「レーザーアニール」はウェハと呼ばれる平たい素材に紫外線レーザーを照射し、加熱を行っていきます。最表面のみレーザーの熱によって溶融させ、再結晶を促して結晶性をさらに強固なものに改善させます。

金属材料に施すアニール処理は、「焼きなまし」という言葉でも知られています。熱を加えて硬さを均一にしたり、加工時点でばらつきのある硬さを均等にしたりすることができます。

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成膜加工では、種類豊富なコーティングだけではなくその後の形状・品質の安定にアニール処理が実施されます。

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