成膜加工と薄膜加工にはどのような違いがあるのでしょうか。違いが分かりにくい、成膜、薄膜について解説しています。
成膜と薄膜、似たような言葉ですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。薄膜と成膜はまったく別のものを指すのではありません。
薄膜はその名の通り、基材や基板の表面に施された薄い膜のこと。その厚さは、10マイクロメートル(0.001ミリメートル)以下であることが多いようです(紙の厚さは60~70マイクロメートル、アルミホイルの厚さは10~60マイクロメートル)。さらに薄いものになると、数ナノメートル(1ナノメートルは0.000001ミリメートル)というものもあります。
そして、成膜とは、ガラスや樹脂、金属、紙などの基板の表面に薄い膜をつけることです。電子機器や半導体などの表面に成膜することで、表面が保護されたり、電気を通したり、電気を通さないようにしたり、汚れや水を防いだり、映り込みを防いだり、さまざまな機能をプラスすることができます。
また、金属製品などの表面を薄膜で色付けするというケースもあります。以前は、色付けや表面の保護のために塗装が行われていましたが、塗装の場合、経年によってはがれてしまうなどの理由から、現在では、長期間、その品質が安定している薄膜を用いることが多くなっています。
薄膜形成(成膜)に用いられる代表的な方法を紹介します。
真空成膜技術の一種。高真空中で蒸着材料を加熱して気化、昇華させて、気体分子になった蒸着材料を基板に衝突・付着させて薄膜を形成します。ガラス、プラスチック、フィルム、金属等に成膜可能。
水を入れた鍋を沸かして、鍋に蓋をすると内側には水蒸気が付着して水の膜ができ、水滴になります。蒸着は、この水の膜ができる状態と同じ原理です。
真空蒸着同様、真空成膜技術のひとつで、成膜材料に希ガスイオンなどを衝突させ、成膜材料からはじき出された原子・分子を基板に付着させる方法。ガラス、プラスチック、フィルム、金属等に成膜可能です。真空蒸着と比べて高密度で高度の高い成膜が可能で、蒸着では難しい材料に対しても成膜できるという利点があります。
原理としては、水たまりに石を投げて水が弾き飛ぶイメージです。
大気中~中真空の状態で、ガス状の気体原料を送り、熱、プラズマ、光などのエネルギーを与えて化学反応を励起。薄膜や微粒子を合成させて、基材や基板の表面に付着させる方法。
高真空を必要としないので、大がかりな真空装置は不要です。成膜速度が速く、処理面積が大きいため、大量生産に向いています。
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